ガンヴォルトシリーズの順番・時系列を作品の特徴を交えながら紹介

「蒼き雷霆(アームドブルー) ガンヴォルト」シリーズはロックマンの生みの親である稲船敬二氏が総指揮を手掛け、「ロックマンゼロシリーズ・ゼクスシリーズ」を手掛けたインティ・クリエイツが開発・発売する2Dアクションゲーム。

本作は2Dアクションだけでなく、ステージの途中にキャラクター達が会話を進行形で行う「ライブノベル」機能で、キャラクターとシナリオに魅力がより一層際立つ作品である。シナリオだけでなく登場するボスたちが追い詰められた時にSPスキルと呼ばれる必殺技を繰り出したり、シリーズ通してのヒロイン「モルフォ」が歌う楽曲にも魅力がある本作。2022年にガンヴォルトシリーズ3作目「鎖環」が発売され、12月にはすべてのDLCが同梱されたPS4・PS5版が発売する。基本的に鎖環だけでも楽しめる本作だが、DLCの追加ボス、シナリオ終盤のボスは前作をプレイしていないと「誰?」となってしまう。この記事ではガンヴォルトシリーズと外伝作品の「白き鋼鉄のX」の時系列を解説していこう。

全作通しての特徴

シリーズ全てに通しての特徴は「クードス」と呼ばれるカッコいいプレイをすると溜まるポイントにある。クードスは敵を同時に倒したり、続けざまに倒し続けていくと溜まっていく。これが1000を超えるとフィールドBGMが作品のヒロインが歌ういわゆるクードスソングに変化する。クードスソングは作品ごとに複数あり、作品を追うごとにクードスを1000ためるのが簡単になっていく。そして、基本的に常時無敵の状態でステージを進むことが出来る。回数制限はあるものの、簡単に回復できるため実質無いに等しい。仮にステージ途中で死ぬことがあっても、一定の確率で復活できるため、2Dアクション初心者でも安心してクリアできる(ハードモードなどの例外は除く)

ガンヴォルトシリーズの時系列とおすすめプレイ順

ガンヴォルトシリーズは無印ガンヴォルトからガンヴォルト爪→鎖環へと続く世界と白き鋼鉄のXに続く世界の2つに分岐する。 おすすめするプレイ順としては、「蒼き雷霆 ガンヴォルト」→「爪」→「鎖環」or「白き鋼鉄のX」の順番でプレイするのがおすすめ。 「白き鋼鉄のX」をプレイした後は、そのまま「白き鋼鉄のX2」をプレイするのもOK。 時系列の都合上、「蒼き雷霆 ガンヴォルト」はトゥルーエンドを回収する必要があることに注意。なお、真エンドを回収する途中で絶対にノーマルエンドは見ることになるので、一発でトゥルーエンドは見れない。

作品紹介

蒼き雷霆 ガンヴォルト(無印)

youtu.be ガンヴォルトシリーズ最初の作品。

セブンスと呼ばれる特殊能力に発言した人類が現れた近未来が舞台に主人公「ガンヴォルト 通称:GV」(声優は石川界人さん)とヒロインの「シアン」と「モルフォ」(声優は櫻川めぐさん)の活躍を描く。シリーズの鍵を握る「電子の揺精(サイバーディーヴァ)」や「蒼き雷霆」などシリーズをプレイしていく中で絶対に避けては通れない道。プレイ順でも書いた通り、爪からのシナリオは本作の真エンドからの話なので、プレイ必須といっていい。

ちなみにボスのモチーフは七つの大罪と動物。最新作「鎖環」でも登場する「皇神(スメラギ)グループ」とGVの対立が描かれる。大まかな内容は王道少年漫画のような展開ではあるが、物語が佳境に入ると話が一気に重くなるので苦手な方は少しばかり注意が必要。

しかし、本作をプレイしているだけでも、鎖環に登場するボスのライブノベルが一層面白くなる。時系列、プレイ順を追うときにはプレイ必須の作品。

アクション面としては、ダート(ショット)で敵をロックオンし、ロックオンした敵に電流を流すことで敵を倒していく。この時に同時に2体、3体と同時にロックオンし、同時撃破することでより多くのクードスを稼げる。最初は難しいと思うので、一体の敵に3回ダートを当てて倒すか、空中にいるときに撃破することを意識するとよい。そしてボスにSPスキルというクードスを清算(リセット)することで使える技でとどめを刺すことで、一気にクードス1000がボーナスで加算される。ボスは意識してスキルでとどめを刺すことを意識すること。このSPスキルでボスにとどめを刺し、クードスにボーナスが入るのは全作品で共通なので覚えておくこと。

蒼き雷霆 ガンヴォルト爪(ソウ)

youtu.be シリーズ第二作。何度も言うが、前作の真エンドからの話になっている。

「地上の無能力者を排除」をもくろむ敵組織「エデン」との戦い、そして今作の新主人公「アキュラ」(声優は増尾興佑さん)の登場。エデンにより力のほとんどを失った「電子の揺精」の力を取り戻すために戦うGVと「能力者のすべてが敵」と考えるアキュラの対立が描かれる。

さらに本作ではアキュラサイドでのヒロインとして「RoRo(ロロ)」が登場。声優は引退してしまった遠藤ゆりかさん。本作はGVとアキュラの両方をクリアすることで、物語のエンディングを迎えられるといってもいい。

ボスのモチーフはいばら姫やラプンツェルなどの童話。そして、今作は3DS版と後述するストライカーパックでのswitch版の2つが存在するのだが、この2作でラスボスのSPスキルの内容が異なる。なお両主人公のクエストを80%クリアした状態で真エンディングを迎えると裏エンディングを見ることが出来る。しかし、裏エンドの条件は大変なので無理に見る必要はない。

盛大なネタバレになるのでここでの紹介は避けるが、youtubeに裏エンドの動画が投稿されているので、余裕がない人はそちらで見るのもいいだろう。少々ネタバレをすると、switch版のラスボスのSPスキルはロックマンゼロ4のラスボスを倒しているとちょっと「おっ」としてしまうかも。

アクション面としては、GVは無印と同じ、アキュラはGVの同時撃破するというコンセプトとは違い、ブリッツダッシュ(ダッシュ)で敵に当たりロックオンし、高火力のホーミングで敵を空中で倒し続けるのが主な動き。ブリッツダッシュは数に制限はあるが、敵や壁に反射すれば回復する。つまりアキュラは、着地せずに空中で敵を倒し続ければ、どんどんクードスが伸びていく。スピード感も抜群で、2Dアクションのある種の完成形といってもいいだろう。

蒼き雷霆 ガンヴォルト ストライカーパック

youtu.be 先述した2作が一本にまとめられた作品。ストライカーパックでは、3DS版無印・爪で挙がった不満点の修正をされている作品であり、モルフォの新楽曲の追加などあり、今からガンヴォルトシリーズをプレイしていくならこれを買うのがベスト。3DSとswitch、PS4で購入が出来る。筆者もこれで無印と爪をプレイした。

蒼き雷霆 ガンヴォルト鎖環(ギブス)

youtu.be ガンヴォルトシリーズ第三作目。本作ではアキュラに代わり、新主人公として「きりん」が登場。

今作は敵組織であった皇神グループの一員として、GVときりんが暴走した能力者を鎮めていくというのが序盤の大まかな流れ。

今作は爪から数十年以上の月日が流れており、エデンとの戦いの後も戦い続けたGVは第七波動を越えた「次の段階(ネクストフェーズ)」に突入し歳を取らない体になってしまう。

物語中盤からは、本作の敵組織「ATEMS(アテムス)」が登場。無印で登場したボスの変身アイテム「宝剣」のオリジンである「封建」をめぐってATEMSと対立することに。数十年以上の年月が流れていることもあり、GV自身も今までの行動について語る場面があり、これこそが無印と爪をプレイしてから本作をやるべき最大の理由でもある。

本作は無印や爪が「電子の揺精」をめぐる物語に対し、「蒼き雷霆」を持つGVにピントを合わせた作品でもある。本作もノーマルエンドと真エンドの2つに加え、イマージュパルスという強化アイテムを150種以上集めることで見ることのできる裏エンドの3つが存在する。しかし、今作の裏エンドは、かなり毛色が違う内容になっているので、頭の片隅に置いておく程度でOK。

DLC追加ボス「紫電」のライブノベル、イベントは一見の価値アリ。本記事を作成するきっかけがこのイベントだったりする。アクション面は、きりんは護符(ショット)で敵の防御ダウン&ロックオンし剣で攻撃するのが基本形。新アクション雷霆煉鎖(らいていれんさ)は護符を張り付けた敵のワープし、攻撃するというもの。しかも雷霆煉鎖のワープ中は完全無敵で雷霆煉鎖後は空中ジャンプが出来る、そこからさらに新しい敵をロックし、また雷霆煉鎖で倒すといったふうに、GVのロックオン+アキュラの空中撃破といった感じ。これも着地せずに倒せばクードスが多く稼げ、慣れてくれば、空中で複数の敵をロックし、同時に倒すといったGVの同時撃破をアキュラで出来るようなアクションが魅力。

GVは爪までは攻撃中に出ていた雷撃鱗(バリア)が常時出るようになった代わりに、攻撃中はこの雷撃鱗が無くなってしまう仕様に変更された。しかし、無制限の空中ジャンプに空中ダッシュ、おまけにダートを3つ付けた敵にダッシュで当たればワンパン技を使えたり(体力を削りさえすればボスでも発動可能)、ダッシュで当たった敵は一方的にロックオンできたり、雷霆煉鎖をはじめとしたきりんで出来るアクションがそのまま使えたりとやりたい放題。その代わり、きりんよりもクードスが稼ぎにくく、鎖環ゲージというゲージを100%以上貯めないと使えなくなったという制限が出来た。

なお、今作は被弾、中間ポイントの取得、SPスキルの使用で、クードスがリセットされることが無くなったものの(代わりにクードスロックといってマイナス分のクードスを稼がないとクードスが増えないように)、クードスソングに制限時間が設けられた。クードスソングが流れているときにクードスを4000ためると別のクードスソングが、さらに7000まで稼げば別のクードスソングが流れるようになっている。

白き鋼鉄のX(イクス)

youtu.be 無印ガンヴォルトで皇神グループにもGVサイドにも属さず、能力者を滅する者(セブンス・スレイヤー)として動いていた「アキュラ」が主人公の外伝作品。

アキュラの声優は増尾興佑から内田雄馬さんに交代し、RoRoは遠藤ゆりかさんから峯田茉優さんに交代している。

本作では能力者「セプティマホルダー」が無能力者「マイナーズ」を弾圧し、人類の大半が能力者となった世界が舞台。アキュラは新キャラクターのコハクをはじめとした無能力者たちの希望である「白き鋼鉄のX」として戦いながら、「バタフライエフェクト」と呼ばれる「何か」を探すというのが本作の大まかなあらすじ。

無印や爪で登場したアキュラとは違い、どこか悟っているような雰囲気や、能力者が無能力者を弾圧しているというガンヴォルトシリーズから見れば異常ともいえる世界。本作の終盤でこの謎が全て明らかになる。

主人公がアキュラであるため、登場する楽曲はRoRoがメイン。本作は無印のエンディングからの分岐ではあるが、シナリオやアキュラ特有のアクションも加味すると爪をクリアしてからのプレイがベストといえるだろう。なおシリーズでも屈指の鬱要素を孕む作品であることには注意。

アクションは基本的に爪と同じ仕様だが、時間でホバリングをやめてしまう爪と違い、Xではずっとホバリングするようになり、よりクードス1000が稼ぎやすくなった。またXシリーズはガンヴォルトと違い、ライブノベルが撤廃されており、よりアクション面が強化されたといえるだろう。

白き鋼鉄のX2

youtu.be Xからの地続きになっている続編。Xでの戦いを経て、一時の平和が訪れ、趣味である研究にいそしんでいたアキュラ。いつの間にか手元にあった謎の情報端末「キーライフル」の研究、修復中に突然開いたワームホールによりコハク、RoRoと共に人類が絶滅し、「ワーカー」と呼ばれるロボットが暮らす異世界に飛ばされてしまう。異世界で出会った「ヌル」というワーカーと共に元の世界に帰る方法を探すのが本作の大まかなあらすじとなる。

完全な別世界に飛ばされたこともあり、シリーズとの明確なつながりこそ描写されないものの、本作のライバルである「Y(イプシロン)」が無印のアキュラそっくりだったり、ハードモードのイプシロンがSPスキルで「スパークステラー」を使ってくること、本作のラスボスの正体が誰かにそっくりなのもあり、突然に飛ばされた異世界が舞台ではあるが、全く無関係ではない世界なので、前作Xをプレイした勢いでやってしまうのが吉か。なお今作は通常の難易度とハードモードでエンディング内容が変わっている。

今作のハードはロックマンのような残機制に切り替わっており、ボスの行動パターンと弱点が大幅な変更がされている。しかし、ハードモードのアシスト機能を使えば残機200スタート、本来使用不可のヒーリング(通常難易度で無制限に回復できるスキル)が使えることもあり、エンディングを見ること自体は難しくはないので安心してほしい。

ちなみにラスボス戦で特定の行動をとるとエンド後にコハクがヤンデレ化する。そしてロックマンゼロ2をやっていると「おっ」ってなる演出が多数入っている。

アクション面ではブレイクホイールという近接武器で素早く敵を倒していくのが基本形となる。しかし前作まで使えていたブリッツダッシュは、通常時は1回のみに変更され、クードスが1000を越えれば、前作のようにブリッツダッシュが使えるといった仕様に変更された。加えて、前作までのブリッツダッシュは回数制だったが、今作の1000を超えた後のブリッツダッシュはゲージ制になり、ゲージがなくなるまで何回でもブリッツダッシュが出来るようになった。もちろんこのゲージは敵や壁に当たることで全快する。ノーマルモードとアシストモードオンのハードの場合はクードスを清算(リセット)することで、体力を全回復できるヒーリングが使用可能。(クードスが0でも使用可能)

この作品をやり込みたいと思った方へ

プレイしていくと何となくわかってくると思うが、このゲームは「クリア自体は簡単だが、スコアアタックを始めると途端に難しくなる」

だからこそ、2Dアクションの基本である「敵配置の記憶とボスの攻撃パターンと対策」が非常に重要。敵を倒していくと溜まっていくクードスはクリア時にスコアに清算されるので、敵を無視するということもスコアタをやるうえでは御法度。もちろん被弾したらクードスがリセットまたはロックされるのでノーダメージがベスト。だからこそ配置の記憶がより重要になる。

慣れるまでに時間がかかると思うが、やり切った後の達成感にクードスソングが流れることの盛り上がりなどもあり、モチベーションの維持には困らないと思う。やりこむにはとにかく頑張るしかない。

最後に

ガンヴォルトシリーズは基本的に真エンドを見たことを前提に続編が作られていくため、真エンドを見ずに続編をプレイしてしまうと「?」となってしまう。そして鎖環でのDLC追加ボスも紫電アシモフは、前作をプレイしないと分からないことが多くなってストーリーについていけなくってしまうと思い、本記事を制作した。これを読んでガンヴォルトシリーズに興味を持ってくれるならこれ以上嬉しいことはありません。

ここまで読んでくれたあなたが大好きです。