【PUI PUI モルカー】かわいいだけじゃない! 人間の愚かさが分かるコマ撮りアニメーション

アニメーション制作において、「ストップモーション・アニメーション」という技法がある。 いわゆる「コマ撮り」と呼ばれるもので、粘土などで作られた被写体の静止画を繋げ合わせて作る映像技法だ。
昨今はフレームレートの高い映像美が追究されることが多いものの、「懐かしのアニメは?」と聞かれて『ニャッキ!』や『ウォレスとグルミット』などのクレイアニメをあげる人も多いはず。

そんな他のアニメーション技法にはない温かみと質感があるストップモーション・アニメーション界に2021年、突如として新星が現れた。『PUI PUI モルカー』という、モルモットが車として活躍している世界を描いたアニメである。

【公式】PUI PUI モルカー 第1話「渋滞はだれのせい?」 - YouTube


羊毛フェルトで作られ、モルモットを模した車・モルカー。作中にはモルカーを運転する人間(実写)も出演しているが、台詞は一切なく、表情や身振り手振りで演出している。言語の壁が存在しないため、どの国の人も楽しめる構成になっているのだ。

モルカーは車だ。ぷいぷい、と鳴く、とてもかわいい車だ。しかし、生き物でもある。人間は運転席に座り、ハンドルを握ってはいるものの、モルカーはしばしば自らの意思で行動する。このモルカーの意思による行動が、人間の愚かしい部分、傲慢な部分を浮き彫りにしており、ただかわいいだけじゃないアニメを作り上げている。

社会現象を巻き起こし、2022年秋には第2期の放映も決定している『PUI PUI モルカー』。まだ第1期を見ていない方も、これを機に見ていただきたい。

molcar-anime.com