今や日本を代表するアニメ監督のひとりである新海誠監督。これまで数多くの傑作を世に送り出してきました。切ないラストが心に残る『秒速5センチメートル』。大ブームとなった『君の名は。』。2019年に公開された『天気の子』も興行収入140億を超え、大ヒットとなりました。そして現在、待望の新作である『すずめの戸締まり』も公開されています!新海監督と言えば、映画というイメージが皆さんの中にもあると思います。ですが、映画とともに出版される小説がまた素晴らしい。映画の空気感が読みやすい文章に落とし込まれており、物語の理解を更に深めることができます。新海監督は映画に加えて、ノベライズの天才でもあるのです。ということで、今回は新海誠監督の小説・本のおすすめを綴っていきたいと思います。
- 新海誠 小説・本の一覧
- 小説 ほしのこえ | 小説 雲のむこう、約束の場所
- 小説 秒速5センチメートル
- 小説 星を追う子ども
- 小説 言の葉の庭
- ほしのこえ あいのことば / ほしをこえる| 秒速5センチメートル one more side | 言の葉の庭
- 小説 君の名は。 | 小説 天気の子
- 君の名は。 Another Side: Earthbound
- 小説 すずめの戸締まり
- すずめといす
- 最後に
新海誠 小説・本の一覧
基本的に各作品1冊以上は小説・本が刊行されています。中には新海監督本人が執筆しているものと別の作家さんが書かれているものがあります。中でも加納新太さんは『雲のむこう、約束の場所』のノベライズ以外に、『君の名は。 Another Side: Earthbound』をはじめとした映画のアナザーエピソードにあたる小説を数多く執筆しています。また、いくつかの作品はAmazonのオーディオブックサービス・Audibleでも配信されており、非常にクオリティが高いです。映画のキャストやプロの声優さんが朗読を担当されているので、作品の空気感をそのまま楽しむことが出来ます。
作品 | 著者 |
---|---|
小説 ほしのこえ | 大場惑 |
ほしのこえ あいのことば/ほしをこえる | 加納新太 |
小説 雲のむこう、約束の場所 | 加納新太 |
小説 秒速5センチメートル | 新海誠 |
秒速5センチメートル one more side | 加納新太 |
小説 星を追う子ども | あきさかあさひ |
小説 言の葉の庭 | 新海誠 |
小説 君の名は。 | 新海誠 |
君の名は。 Another Side: Earthbound | 加納新太 |
小説 天気の子 | 新海誠 |
小説 すずめの戸締まり | 新海誠 |
すずめといす | 新海誠・海島千本 |
小説 ほしのこえ | 小説 雲のむこう、約束の場所
『小説 ほしのこえ』は大場惑さん、『小説 雲のむこう、約束の場所』は加納新太さんが執筆されています。この2作は複雑な世界設定が特徴でもあるので、より物語への理解を深められる小説版はかなりおすすめです。また、どちらも小説だけのプラスαがあり、それぞれの作家さんの解釈が感じられることも魅力の1つです。
小説 秒速5センチメートル
観た人のあいだでも解釈が分かれる『秒速5センチメートル』。作品の理解をより深めたいという方には映画を補完する内容が多く書かれた小説版がオススメです。読むことで主人公の心情がより理解しやすくなるかと思います。加えて、成長した主人公が付き合っている女性、水野理紗というキャラクターですが、小説版では彼女についてより詳細な描写がなされています。一方で、意図的に変更されている部分もあり、映画を観たことがなくても、単体の作品として読むことができます。
小説 星を追う子ども
あきさかあさひさんが執筆を担当された『星を追う子ども』のノベライズ。これ1冊で楽しめる単体のファンタジー・ライトノベルとして成立しています。本作の世界観が気に入った方、ファンタジーものを読みたいという方にオススメです。
小説 言の葉の庭
『言の葉の庭』の小説版は映画を観た方には絶対に読んでいただきたい傑作です。主人公やヒロイン以外の登場人物たちにも焦点が当てられ、その心情や知られざる過去が描かれています。最早、「これを読まずして『言の葉の庭』は語れない!」というレベルで作品世界を押し広げる素晴らしい内容となっています。
ほしのこえ あいのことば / ほしをこえる| 秒速5センチメートル one more side | 言の葉の庭
これらの3作は、『君の名は。 Another Side: Earthbound』の加納新太さんが描くアナザーストーリーであり、もうひとつの“新海ワールド”というべきものです。どの作品も加納さんならではの解釈や表現が入れ込まれており、映画の世界線とは必ずしも繋がりませんが、「これはこれでいいな」と思える内容となっています。新海監督の作品を新たな視点から捉えてみたいという方は読んでみてください。
小説 君の名は。 | 小説 天気の子
先述した『すずめの戸締まり』と同じく、『君の名は。』と『天気の子』の小説版は映画と同時期に書かれたものです。 これらの作品は映画と小説で大きな物語の差異はありません。ですが、媒体の特性から、小説では主人公たちの一人称で描写されるため、「こういう気持ちだったのか」という気付きを得られることは多いです。小説を片手に映画を見返してみるのも良いと思います。新海監督によるあとがきも地味に見どころです。筆者は『天気の子』の『大丈夫』という曲について、小説のあとがきで制作時の話を含んだ楽曲への思いが綴られており、感動しました。
君の名は。 Another Side: Earthbound
『君の名は。』をサブキャラクターたちの視点から掘り下げるアナザーストーリー。執筆は新海作品のノベライズではお馴染みの加納新太さんです。ある意味、複数人物からヒロインの三葉を描く作品とも言えます。特に三葉の父親は、この小説を読むとかなり印象が変わるのではないでしょうか。「『君の名は。』のキャラクターをもっと知りたい!」という方は読んでみてください。
小説 すずめの戸締まり
最新作『すずめの戸締まり』の原作小説です。映画が公開中なのでネタバレは避けますが、基本的にすずめ視点で描かれているため、より心情を追いやすくなっています。『すずめの戸締まり』の予習、または映画を観た後の補完としてお楽しみ下さい。
すずめといす
本作は、マクドナルドのハッピーセットで配布された『すずめの戸締まり』の公式スピンオフ絵本です。すずめが母親と過ごした子供時代が描かれています。新海監督が絵本を手掛けるのは初めてのこと。『彼女と彼女の猫 -Everything Flows-』でキャラクターデザインを務めた海島千本による生き生きとしたイラストも魅力的です。
最後に
新海監督の作品には見るたびに新しい発見があります。 ここで紹介した小説・本は、読み終わった後で世界の見方をほんの少し変えてくれるような素敵な力を持ったものばかりです。 気になる作品があれば、是非手に取ってみてください。