新海誠 映画(アニメ)/小説 おすすめランキング【すずめの戸締まり】【君の名は。】【天気の子】

今や日本を代表するアニメ監督のひとりである新海誠監督。これまで数多くの傑作を世に送り出してきました。切ないラストが心に残る秒速5センチメートル。大ブームとなった君の名は。。2019年に公開された『天気の子』興行収入140億を超え、大ヒットとなりました。そして、2022年11月11日からは遂に待望の新作である『すずめの戸締まり』が公開されます!長らく楽しみにしていた方も多いのではないでしょうか。新海監督と言えば、映画というイメージが皆さんの中にもあると思います。ですが、映画と一緒に出版される小説がこれまた素晴らしい。映画の空気感が読みやすい文章に落とし込まれており、物語の理解を更に深めることができます。新海監督は映画に加えて、ノベライズの天才でもあるのです。ということで、今回は新海誠監督の映画8作品小説12作品のおすすめをランキング形式で綴っていきたいと思います。

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作品の魅力と人気の理由|背景・美術/ 泣ける・感動する物語 / 声優・音楽 など

ご存じの方も多いと思いますが、新海作品には他にはない様々な魅力があります。まず、背景・美術の素晴らしさ。カットの1つ1つが尋常ではないほど綿密かつ美しく描かれており、視覚にいい栄養を与えてくれます。次に思春期の葛藤や恋を描いた切なく淡い青春の物語。詩的なモノローグで表現されるキャラクターの心理描写は新海作品の真骨頂です。日本人の生活の中に根ざす習慣や伝承、災害などをモチーフとすることも。また、キャラクターに命を吹き込む声優・キャストの魅力も挙げられるでしょう。『言の葉の庭』でユキノを演じた花澤香菜さんや『君の名は。』の主人公・立花瀧を演じた神木隆之介さんは最新作『すずめの戸締まり』にも出演しています。今や、新海監督の作品には欠かせない存在ですね。 物語にピッタリと寄り添う音楽も欠かせません。初期から劇伴を担当されている天門さんと『君の名は。』以降、欠かせない存在となったRADWIMPS。どちらも異なる良さがあり、新海作品の魅力を極限まで高めています。『すずめの戸締まり』ではRADWIMPSと作曲家の陣内一真さんの2人体制になっており、進化した新しいサウンドに期待が高まります。公開されている楽曲『すずめ feat.十明』でその片鱗を感じることができるので、是非聴いてみてください。

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新海誠 映画 全8作品 おすすめランキング

新海誠 映画 作品の一覧と順番

ゲーム会社に勤めながら制作した彼女と彼女の猫で第12回CGアニメコンテストのグランプリを受賞した新海監督。その2年後に初の劇場公開作品ほしのこえを発表します。その後も数年おきに長編・中編のアニメ映画を発表し続け、やがて社会現象を巻き起こした君の名は。に続いていきます。余談ですが、新海監督はデビューから一貫して、コミックス・ウェーブ・フィルムと組んで、作品制作を行っています。

制作年 作品
1999年 彼女と彼女の猫
2002年 ほしのこえ
2004年 雲のむこう、約束の場所
2007年 秒速5センチメートル
2011年 星を追う子ども
2013年 言の葉の庭
2016年 君の名は。
2019年 天気の子
2022年 すずめの戸締まり

映画 おすすめランキング 第1位:君の名は。

どうしても、この作品は1位にせざるを得ません。アニメ・映画業界に与えた影響は計り知れないレベルです。 “入れ替わり”を利用した捻りのあるシナリオ、前前前世スパークルをはじめとしたRADWIMPSによる名曲の数々。映像面も作画監督安藤雅司さんとキャラクターデザインに田中将賀さんが加わり、より伝わりやすく、魅力的なものに。新海誠監督はここで見事に新境地を開き、同時に一躍、世間に名前が知れ渡っていきます。今までにないほどエンタメ性に富んだ予告に気合の入った宣伝……公開前から大いに期待されていた映画でしたが、「ここまで売れるとは思わなかった」と監督本人が言ってしまうほど、日本を席巻する大ブームになりました。余談ですが、当時、筆者は本作をアメリカの映画館で鑑賞しました。ラストの『なんでもないや』が流れるシーンで劇場に起こった静かな拍手は今でも鮮明に覚えています。日本のアニメが世界に届くことを肌で感じた瞬間でした。

公開日

2016年8月26日

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映画 おすすめランキング 第2位:秒速5センチメートル

新海監督の商業作品としては3作目にあたる『秒速5センチメートル』。しかしながら、ここで既に作家として、一度完成したのではないかと思います。やはり『君の名は。』以前はこの作品こそが(今もですが)、新海誠の代表作でした。『桜花抄』、『コスモナウト』、『秒速5センチメートル』の全3話で構成された物語は男女の関係性が時間と距離によって変化していく様子を儚く、そしてリアルに描いています。この映画を語るうえで外せないのが、山崎まさよしさんの『One more time, One more chance』です。第3話で流れるこの曲がまさに作品のコアと言っていいほど、大事な役割を果たしています。筆者は何回も観ているので、曲を聴くだけで絵が浮かんできます。今は少なくなりましたが、この作品の終わり方がバッドエンドだという人も結構いますよね。胸にくるものは確かにありますが、見方によってはハッピーエンドとも捉えられるのが面白いところです。

公開日

2007年3月3日

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https://animestore.docomo.ne.jp/animestore/ci_pc?workId=10677

映画 おすすめランキング 第3位:天気の子

君の名は。』が社会現象となっていた頃、気の早い新海フリークたちは既に思っていました。「次どうするんだろう?」と。それから3年が過ぎ、満を持して『天気の子』という新作が解き放たれました。まず、天気を扱うという時点で期待するなと言うのが無理です。天気…天気…つまり、!新海作品における雨の描写には多くのファンがいます。そして気になる物語ですが、ポイントになるのは祈ると天気を晴れにできる、“天気の巫女”という存在です。巫女としての使命、或いは運命と対峙して、自分たちの生き方を選択すること。それが『天気の子』という映画に託されたテーマの1つではないでしょうか。さて、前作に引き続き、劇中の音楽と主題歌はRADWIMPSが担当しています。これまで以上に深く作品とかかわり、制作されたという『グランドエスケープ』『愛にできることはまだあるかい』などの楽曲たち。正直、音楽とシナリオのシナジーと言う意味では『君の名は。』を超えていると思います。もはや挿入歌というレベルではなく、登場人物たちの心理を歌で補完できるようなつくりだなと感じました。

公開日

2019年7月19日

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映画 おすすめランキング 第4位:言の葉の庭

新海作品のは人気があるという話をしましたが、数多の“雨好き”を生み出す要因となったのが、『言の葉の庭』です。何せこの映画は大体いつも雨が降っており、新海監督が「雨は3人目のキャラクター」と宣言するほど、雨、雨、雨なのです。そして、重要な要素のもう一方が万葉集です。冒頭で短歌が引用されるシーンもあり、愛ではなく“孤悲”(恋)の物語”であることが殊更に強調されています。何を隠そう、『言の葉の庭』は筆者のマイベスト新海作品で、今でも時折ブルーレイを見返しています。新海監督の作る作品は、やはり空気感が魅力的なのですが、『言の葉の庭』は特にそれが突き詰められている気がするのです。観ていると心が洗われるような感覚になる人は少なくないと思います。音楽は自主制作時代から関わっておられた天門さんではありませんが、雨に似合うピアノの音色が耳に心地良い感じです。この作品の魅力は言葉にできない部分にこそあると思うので、「とにかく観てくれ!」という結論になってしまいます。スイマセン!

公開日

2013年5月31日

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映画 おすすめランキング 第5位:ほしのこえ

監督・脚本・作画・編集など、ほぼすべての工程を新海監督1人で担い、完成させた劇場デビュー作です。オリジナル版では声優も篠原美香さんとともに務めています。今見ても「これ一人で作ったって?」となるほど出来が良く、既に新海監督の色が出まくっています。宇宙にいる少女と地球に残った少年が携帯電話のメールで辛うじて繋がっている。何ともロマンチックで、エッジの効いた設定です。今との違いを挙げるならば、作品のジャンルがガッツリSFなことでしょうか。最近の作品も見方次第ではSFですが、例えば、地球外知的生命体・タルシアンや宇宙用巨大ロボ・トレーサーなど、専門用語が頻出する点は大きく違うと思います。新海監督は子供の頃からSFや宇宙が大好きだったらしく、ある意味、初期は縛りなく趣味を全開にしていたのかもしれません。しかしながら、キャラクターのモノローグを聞けば、確かに「新海作品だ!」となるのでやはり変わらない部分のほうが大きいです。新海誠伝説のはじまりを見たいという方は是非ご覧ください。

公開日

2002年2月2日

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映画 おすすめランキング 第6位:彼女と彼女の猫

彼女と彼女の猫』は新海監督が『ほしのこえ』でデビューするよりさらに前、自主製作した短編の作品です。映像自体、5分程度なのですぐ見ることができます。ですが、短い時間の中に後の新海作品へ繋がっていく演出の数々が詰め込まれており、内容はかなり濃いです。モノトーンの映像と繊細なモノローグ、天門さんによる音楽が見事に調和。人生の寂しさ、温かさ、(ヌコの可愛さ)を“彼女”と猫を通じて美しく描いています。まさに新海監督の創作における原点の作品です。2016年に放送されたテレビアニメ版彼女と彼女の猫 -Everything Flows-』や『ブループリオド』で知られる山口つばさ先生によるコミカライズ版もあります。どちらも短い原作のエッセンスを抽出しつつ、独自の作品に仕上がっているので、是非チェックしてみてください。

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映画 おすすめランキング 第7位:雲のむこう、約束の場所

新海監督初の長編アニメーション作品である『雲のむこう、約束の場所』。南北に分断された日本を舞台に“宇宙の見る夢”である平行宇宙を巡る物語が描かれます。『ほしのこえ』に引き続き、SF色がかなり強いです。共産国家・ユニオンやカギを握るユニオンの塔など、新海作品の中では難解な部類に入ります。ただし、設定面を完全に理解せずとも、特に問題はないです。新海作品はキャラクターの感情こそが肝だと思います。本作においては、世界のズレによって引き離された主人公たちや“世界か彼女か”という選択の部分さえ分かれば楽しめるでしょう。ところでこの2つで何かを思い出しませんか?そう、『君の名は。』と『天気の子』です。両作はこの作品に端を発している気がしますよね。『秒速5センチメートル』のような初期作品特有の儚さもあり、今見ると新しい発見の多い映画です。

公開日

2004年11月20日

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映画 おすすめランキング 第8位:星を追う子ども

秒速5センチメートル』の4年後に公開された『星を追う子ども』。新海作品の中でもある意味、異質な立ち位置にあります。まずこれまでにないほど、ファンタジー要素が多いです。舞台となるのは、太古の文明が息づく地下世界・アガルタ。そこから来た少年と出会った主人公はやがて、その広大な世界を旅することになります。アクションも大幅に増えており、明らかに今までとは違う新海監督がそこにはいました。というのも、監督本人も認めているのですが、『星を追う子ども』はスタジオジブリの作品を連想させる部分が随所にあります。この数年後に『言の葉の庭』を経て『君の名は。』に繋がることを考えれば、間口の広い物語を描くということを模索していた時期だったのかもしれません。ファンの間でも賛否は分かれますが、新海監督のチャレンジと新たな一歩を感じさせる作品です。

公開日

2011年5月7日

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新海誠 小説 全12作品 おすすめランキング

新海誠 小説 作品の一覧

基本的に各作品1冊以上は小説が刊行されています。中には新海監督本人が執筆しているものと別の作家さんが書かれているものがあります。中でも加納新太さんは雲のむこう、約束の場所のノベライズ以外に、君の名は。 Another Side: Earthbound』をはじめとした映画のアナザーエピソードにあたる小説を数多く執筆しています。また、いくつかの作品はAmazonのオーディオブックサービスAudibleでも配信されており、これが大変良いです。映画のキャストやプロの声優さんが朗読を担当されているので、作品の空気感をそのまま楽しむことが出来ます。

作品 著者
小説 ほしのこえ 大場惑
ほしのこえ あいのことば/ほしをこえる 加納新太
小説 雲のむこう、約束の場所 加納新太
小説 秒速5センチメートル 新海誠
秒速5センチメートル one more side 加納新太
小説 星を追う子ども あきさかあさひ
小説 言の葉の庭 新海誠
小説 君の名は。 新海誠
君の名は。 Another Side: Earthbound 加納新太
小説 天気の子 新海誠
小説 すずめの戸締まり 新海誠

小説 おすすめランキング 第1位:小説 すずめの戸締まり

11月11日に公開される最新作『すずめの戸締まり』の原作小説です。ただ、映画と小説は同時並行で制作されているため、どちらが本当の“原作”なのかは微妙なラインかもしれません。公開前なので、ストーリーをいち早く知りたい方にオススメ。ネタバレは避けますが、本作の物語、ヒロインに託されたテーマは、新海監督にとっては避けて通れないものでした。(あとがきで少し触れられています)『すずめの戸締まり』の予習、または映画を観た後の補完として、ヒロインの心情を追うことのできる本書を手に取ってみて下さい。

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小説 おすすめランキング 第2位:小説 言の葉の庭

筆者が愛してやまない『言の葉の庭』の小説版は映画を観た方には絶対に読んでいただきたい傑作です。主人公やヒロイン以外の登場人物たちにも焦点が当てられ、その心情や知られざる過去が描かれています。最早、「これを読まずして『言の葉の庭』は語れない!」というレベルで作品世界を押し広げる素晴らしい内容となっています。

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小説 おすすめランキング 第3位:小説 秒速5センチメートル

観た人のあいだでも解釈が分かれる『秒速5センチメートル』。作品の理解をより深めたいという方には映画を補完する内容が多く書かれた小説版がオススメです。読むことで主人公の心情がより理解しやすくなるかと思います。加えて、成長した主人公が付き合っている女性、水野理紗というキャラクターですが、小説版では彼女についてより詳細な描写がなされています。一方で、意図的に変更されている部分もあり、映画を観たことがなくても、単体の作品として読むことができます。

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小説 おすすめランキング 第4位:小説 君の名は。 | 小説 天気の子

先述した『すずめの戸締まり』と同じく、『君の名は。』と『天気の子』の小説版は映画と同時期に書かれたものです。 これらの作品は映画と小説で大きな物語の差異はありません。ですが、媒体の特性から、小説では主人公たちの一人称で描写されるため、「こういう気持ちだったのか」という気付きを得られることは多いです。小説を片手に映画を見返してみるのも良いと思います。新海監督によるあとがきも地味に見どころです。筆者は『天気の子』の『大丈夫』という曲が好きなのですが、小説のあとがきで制作時の話を含んだ楽曲への思いが綴られており、感動しました。

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小説 おすすめランキング 第5位:小説 ほしのこえ | 小説 雲のむこう、約束の場所

『小説 ほしのこえ』は大場惑さん、『小説 雲のむこう、約束の場所』は加納新太さんが執筆されています。この2作は複雑な世界設定が特徴でもあるので、より物語への理解を深められる小説版はかなりおすすめです。また、どちらも小説だけのプラスαがあり、それぞれの作家さんの解釈が感じられることも魅力の1つです。

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小説 おすすめランキング 第6位:君の名は。 Another Side: Earthbound

君の名は。』をサブキャラクターたちの視点から掘り下げるアナザーストーリー。執筆は新海作品のノベライズではお馴染みの加納新太さんです。ある意味、複数人物からヒロインの三葉を描く作品とも言えます。特に三葉の父親は、この小説を読むとかなり印象が変わるのではないでしょうか。「『君の名は。』のキャラクターをもっと知りたい!」という方は読んでみてください。

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小説 おすすめランキング 第7位:小説 星を追う子ども

あきさかあさひさんが執筆を担当された『星を追う子ども』のノベライズ。これ1冊で楽しめる単体のファンタジーライトノベルとして成立しています。本作の世界観が気に入った方、ファンタジーものを読みたいという方にオススメです。

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小説 おすすめランキング 第8位:ほしのこえ あいのことば / ほしをこえる| 秒速5センチメートル one more side | 言の葉の庭

これらの3作は、『君の名は。 Another Side: Earthbound』の加納新太さんが描くアナザーストーリーであり、もうひとつの“新海ワールド”というべきものです。どの作品も加納さんならではの解釈や表現が入れ込まれており、映画の世界線とは必ずしも繋がりませんが、「これはこれでいいな」と思える内容となっています。新海監督の作品を新たな視点から捉えてみたいという方は読んでみてください。

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最後に

いかがでしたか。新海監督の作品は見るたびに新しい発見がありますね。 個人的な話になりますが、筆者は学生時代に言の葉の庭と出会わなければ、今の自分はないというほど影響を受けました。 具体的には雨の日と新宿御苑(と花澤香菜さん)が好きになりました。 ここで紹介した作品は、観終わった後で世界の見方をほんの少し変えてくれるような素敵な力を持ったものばかりです。 「”新海ワールド”はいいぞ」ということで、気になる映画や小説があれば、是非お手に取ってみてください。 この記事が新たな作品との出会いを求める方への助けになれていたのなら、これ以上の喜びはありません。